キーワードは「安心」「楽チン」
今回、ルノージャポンがグランセニックの試乗コースとして選んだのは、都内を起点とし高速道をひた走り、長野県の軽井沢まで行くという約150キロほどの道のりだ。高速道とはいえ、途中には難所が続く起伏に富んだ山岳区間もあり、バラエティーに富んだ内容となっていた。マスコミ向けの試乗会というと箱根をベースに山道を小1時間走らせるスタイルが多い中で、異例の設定といえる。これは、1日に1000キロ(!)も移動することもあるという「フレンチ・スタイル・バケーション」の片鱗を少しでも感じて欲しい、というルノーの狙いなんだとか。
さて、日本に入って来るグランセニックには、4気筒2リッターDOHCエンジンとマニュアルモード付きプロアクティブ4ATが組み合わされる。スペック自体は必要にして十分というレベルだが、中速域でトルクがある実用的なエンジン特性となっていて、とても扱いやすい印象だ。ただし、高速域ではあと1速か2速ギアが欲しいなあと思わされる場面もあったのも事実。実用上は問題ないのだけれど、ちょっとばかり音が賑やかになるのだ。例えば、レスポンスの良い日産のCVTが載っていれば良かったのだけれど。これについては今後に期待したいところ。
特筆すべきはグランセニックの走りだ。キーワードは「安心」「楽チン」。
高速道で右車線に出て他車の流れにのるほどの速度域でも、走りはどっしりと安定。その一方、カーブと上り坂が連続する高速道区間でもしっかりと地面をとらえて離さない、と、走らせていて安心なことこのうえない。当たり前のように走っているけど、背の高いミニバンでこの走りを実現しているのは何気にスゴイことで、グラン セニックの懐の深さを感じさせてくれる。
しかもコレ、がちがちのハンドリングじゃなく、ふんわりやんわりといなすのがフレンチ流。ゆったりたっぷりしたシートの性能と相まって、ドライバーにとっても乗員にとっても、とにかく楽チンなのだ。ルノーがいうところの「フレンチ・スタイル・バケーション」、つまりかなりの長距離ドライブでも、なるほどこれなら疲労が少ないだろう。
このようにグランセニックは、フランス車の魅力をたっぷり詰め込んだクルマだった。日本のミニバンとはひと味もふた味も違う仕上がりなのだから面白い。国産車に比べれば割高感があるのは確かだが、あえて手に入れたくなる理由が感じられるのだ。
人とは違う「通」なミニバンをお探しなら、グランセニックも選択肢に加えてみてはいかがだろう。