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ブガッティ・ヴェイロン 徹底試乗!脅威の走りとメカニズム!

(2005.12.06)
ブガッティ・ヴェイロン16.4
スタイル インテリア 走り&メカニズム

ドライバーの意思通りにコントロールできる7速DSG

ブガッティ・ヴェイロン16.4

 シートポジションを合わせ、シートベルトをしてイグニッションキーを2段捻る。ブレーキペダルを踏んでシフトレバーの根本にある丸いスタートボタンを一回押すとエンジンが掛かる。そしてブレーキペダルは踏んだままシフトレバーを右に倒し、左下にある電気式のパーキングブレーキスイッチを戻せばスタート準備の完了だ。

 この段階でスピードメーターの中にPRND1と表示されている。一番右の1はドライブモードで1速に入っていることを示している。ここでパドル操作をするか、スタート前にシフトレバーを前後方向に動かせば7654321と数字が表示される。これはスポーツモードでパドルかシフトレバーによるマニュアル操作でドライビングできる。スポーツモードでもレッドゾーンに入ると自動的にシフトアップするし走行スピードが低くなってくると自動的にシフトダウンしてくれる。
 ツインクラッチの7速DSGは、シフトアップ/ダウンでのタイムラグをまったく感じない2ペダルのトランスミッションである。

 ブレーキペダルを放すとクリープが利いてのろのろと走り出す。そこでアクセルペダルを踏み込むとW型16気筒のエンジンの鼓動が細かくなって加速していく。その動きはアクセルペダルに対してダイレクトなのにとてもスムーズなのだ。一般道は普通のクルマと同じくまったく普通に走れる。アクセルペダルが過敏過ぎることもなく、ゆっくり走ることもドライバーの意思どおりに完璧にコントロールできる。

スゴイ! と、しかいいようのない1001馬力の加速感。

ブガッティ・ヴェイロン16.4

 サーキットでは1001psを試せた。アクセルペダルを床まで踏み込んで加速していくと1速、2速とアッという間にシフトアップしていく。エンジン回転と比例するようにパワーメーターもぐんぐん上がってきて、6000rpmに近づいたときに1001psを示している。7速DSGはアクセルペダルを一切戻さなくてもシフトアップして行けるから、8リッター4ターボから湧き出てくる1250Nmというトルクを使い切ることができる。

 このときの加速感は「スゴイ」としか言いようがない。普通のクルマが1速で全開加速するような感じがシフトアップしてもシフトアップしても続くのだ。スピードが高くなってからもこの加速力というのは、これまで経験した景色とは違うものだ。急速に視野が狭くなっていく。カメラで例えるならズームレンズを広角から急に望遠にしたときのようだ。これが0−100km/hを2.5秒で走る加速なのだ。

300m/hでも恐くない!? 卓越した安定性。

ブガッティ・ヴェイロン16.4

 富士スピードウェイでは、タイトな最終コーナーを立ち上がって直線を加速していって楽に300km/hオーバーをマークすることができる。さすがに400km/hオーバーの最高速度のクルマだけあって、300km/h程度ではまだまだ頭打ちの感じはなく強烈な加速を持続していく。

 このスピードからブレーキを掛けるとハンドリングモードのリヤウイングが立ち上がってエアブレーキが利く。これは200km/hオーバーで走行中にブレーキを掛けると上がるようになっている。これによって尋常でないスピードからでも強力なブレーキングが可能である。

 300km/hのスピードでも、途中の強烈な加速のときにも、ヴェイロン16.4は路面に張り付いたような安定感を保っている。だから300km/hでもそのスピード感はあまりない。だからドライバーは落ち着いて操作できるから超ハイスピードでも安全性は高いといえる。これはボディ、サスペンション、タイヤ、重量バランスなどが非常に良くできているベースの上に、フルタイム4WDシステムという強力な武器があるからだ。

タウンスピードから400km/hオーバーまで、難無くこなすスーパーカー。

ブガッティ・ヴェイロン16.4

 コーナリングでも安定感がある。大径でファットなミシュランPAXタイヤは路面をしっかりグリップしている。フルタイム4WDで安定性が高いというと曲がらないクルマかと思われるが、実はアクセルコントロールできる範囲は広いのだ。
 ハイスピードでコーナーをターンインするときにはアクセルペダルを戻してハンドルを切り込むとオーバーステアにも持っていける。そのまままたアクセルペダルを踏み込むことでオーバーステアを抑えて再び安定感のある走りに戻ることができる。もしアクセルペダルを踏めない場合にも心配は要らない。ESPが作動してそれ以上のオーバーステアにはならない。

 このクルマは一般道をまったく普通に走ることができる一面とカタパルトのような加速、超ハイスピードの世界を安全に味わえるという超ワイドなレンジを持つ、他には例がない超弩級のスーパースポーツカーである。

スタイル インテリア 走り&メカニズム
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高)
4,462×1,998×1,204(ノーマルポジション)
車両重量[kg]
1,888
エンジン
W16
総排気量[cc]
7,993
最高出力[ps(kw)/rpm]
1,001(736)/6,000
最大トルク[N・m/rpm]
1,250/2,200-5,500
ミッション
7速DSG
タイヤサイズ
F265-680ZR500A、R365-710ZR540A
トップスピード[km/h]
407
加速力
0-100km/h:2.5秒、0-200km/h:7.3秒、0-300km/h:16.7秒
税込価格
1億6千300万円
レポート
こもだきよし
写真
森山良雄
取材協力
ニコル・レーシング・ジャパン株式会社
達人プロフィール: こもだ きよし
職業:モータージャーナリスト
日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)、JAF交通安全委員会委員、セーフティドライビング・インストラクター・アカデミー会長、警察庁運転免許制度に関する懇談会委員、BMWドライバー・トレーニング・チーフインストラクターなど...
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