実は私、もうお腹イッパイなんですよ。いわゆるハイブリッド車ってやつに。仕事柄、色々乗せていただきました。ハリアー・ハイブリッドには1,000kmほど走っちゃったし。と、いうわけでレクサスGS450hハイブリッドが出ました! と、いわれたくらいではあまりドキドキしないのも事実。そんな思いのままに、レクサスGS450hハイブリッドのキーを受け取った。
キーをONにすると、美しいインパネのランプが点灯しているだけ。バッテリーの充電量が十分であるならば、イグニッションをONにしてもエンジンはうんともすんともいわない。フツーの人はここで悩む。エンジンがかかるものだと思い、何度もエンジンのスターターボタンを押しちゃったりして・・・。エンジンのかかっていないレクサスGS450hハイブリッドのアクセルをゆっくりと踏む。クルマは何事もないように、モーターだけでスルスルと滑らかに走り出した。そのままジワジワァっとアクセルを踏んでいくと、状況にもよるがモーターのままで3〜40km/hくらいまで加速する。恐らく渋滞の多い首都圏などは、アクセル開度に注意すればかなりの距離をモーターのみで走ることができるはずだ。そのときの車内はとても静か。恐いくらいの静寂。エンジンがかかってないって静かなんだなぁ、と実感。静かなクルマを作らせたら、さすがトヨタはウマイ!
さてさて、フツーに走ってみよう。アクセルの開度をスタートからある程度踏むと、まずはモーターのトルクでクルマをグイっと前方に押し出した後、すかさずエンジンが始動。1,890kgという決して軽くないボディを何事もなく車速を上げていく。瞬時に高トルクを発生するモーターならではの加速感だ。通常走行時のエンジンは、状況によりジェネレーターや駆動力にと、それぞれ最適なカタチで動力を与えている。アクセルオフやブレーキ時には、制動力を電気エネルギーに変換してバッテリーに蓄えられる。
さあ、お待ちかねの全開走行! モーター&エンジン両方が駆動力としてイッキに働き出す。このときエンジンの出力は、バッテリーにはまわさずに、すべて駆動力として使われる。バッテリーは、ひたすらモーターへ電力を供給。クルマは恐ろしいほどのトルクでグイグイと車速を伸ばす。アクセル全開だと80km/h付近で2段変速式リダクション機構がハイギヤに切り替わるのか、一瞬加速が途切れまた加速する。ここまでは、大排気量車でも体感できるレベル。レクサスGS450hハイブリッドがすごいのは、ココから先の加速感。通常、どんなクルマでも車速が上がれば上がるほど加速が落ちてくる。ギヤをシフトアップするたび加速が鈍る。しかし、レクサスGS450hハイブリッドの加速は高速域に入っても衰えない。無段変速機ならではの滑らかさのまま、強力に加速し続ける。この加速感は未知との遭遇。初体験のフィーリング。「ナニ、これぇ〜」です。ホント。
そのため、ドライバーはちょっとビビリ、アクセルを一旦緩め再加速。アクセルを踏み込んだ瞬間、素早く反応し再び超加速を開始。恐ろしいことに、ほぼどんな状況下にあっても即座に超加速するこのハイブリッドシステムは、もはやスポーツカーのためにあると思えるほど気持ちがいい。バンッと踏めばドンと前に出る。そんなイメージだ。そのままアクセルを踏んでいれば、あっという間に180km/hに到達するだろう。システム合計(エンジン+モーター)での最高出力は345馬力というが、加速力はそれ以上だと思う。
ただ、これだけレスポンスの鋭いハイブリッドエンジンと、レクサスGS450hハイブリッドのハンドリングの組み合わせがイマイチよく分からない。小さな舵角ではダルなハンドリングだが、大きく速い舵角をあたえると、意外とシャープに反応したりする。いわゆる国産オヤジ系セダンに多いハンドリングだ。そのためか、ハイブリッドシステムはスポーティ、ハンドリグはオヤジ系という異質のキャラが組み合わされている感じ。レクサスGS450hハイブリッドには、BMWのような精密でスポーティなハンドリングが似合うと感じた。オヤジ系はGS430に任せておけばいいのだ。
また、後席まわりにバッテリーを搭載しているため高重心となるのか、電動でスタビライザーを制御しロールをコントロールするアクティブスタビライザーサスペンションシステム(標準装備、レスオプションあり)がないと、あまりにロールが大きく気持ちよくは走れない。さらにロールの戻りが少々遅いので、右に左にとスイスイと曲がるのは少々苦手分野。レクサスGS450hハイブリッドの狙いは、そういうスポーツ路線ではないのかもしれないが・・・。ハンドリングの部分をもう少し洗練されれば、レクサスGS450hハイブリッドは類希なスポーツセダンになるはずだ。
それでも、スムーズで圧倒的な加速は、国産&輸入車の中でもトップクラス。敵なしの超直線番長。そういう意味では、余裕あるパワーで高速クルージングするというスタイルが一番似合っているだろう。まあ、大人の余裕ってヤツですな。
これだけパワフル&スポーティなハイブリッドシステムなのに、10・15モード燃費は14.2km/lと2リッタークラス並み。凄いことです。トヨタ様(あえて様と呼びたくなるくらいスゴイ!)の進化は私のようなバカチンには想像できないぐらいのスピードで進んでいた。走りのキャラ設定に違和感のあるものの、ライバルとなる輸入車にない圧倒的な個性をもつハイブリッドシステム。それでいて、お値段はラグジュアリーな装備がついたバージョンLで770万円。なんと、同クラスのメルセデスやBMWよりかなり安い。なにがなんでもメルセデスやBMWじゃなくちゃだめ! って人じゃなければ、世界最先端のハイブリッド技術に触れられるのはレクサスGS450hハイブリッドだけ。さらに、地球環境にも優しいというのであれば、レクサスGS450hハイブリッドに乗る価値は大きい。また輸入高級車オーナーも、一度は乗って試してみるといい。フロントウインドウの先には、自動車の未来がボンヤリと見えてくるはずだ。
さあ、次に登場するであろうレクサスLS600h、このクルマは一体さらになにを進化させて登場するのだろうか? LS600hはAWDだという。FRでもAWDでもいいから、ハイブリッドのリアルスポーツカーに乗ってみたい!