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検証!ヘッドレストの重要性!実車後面衝突実験「JAFユーザーテスト」より

(2006.05.18)
検証!ヘッドレストの重要性!実車後面衝突実験「JAFユーザーテスト」より

『ヘッドレスト』の役割を知っていますか??

 “ヘッド=頭・レスト=休む”で、ヘッドレストは頭を休める為のものなんて思っている人いませんか?私はてっきりそう思っていたのですが、実はヘッドレスト=『頭部後傾抑止装置』、つまり衝突時等において“乗員の頸部に起こる傷害の危険を軽減するための装置”なのです。
 そんなに大事なものだとは知らなかったのですが、先日行なわれた、頸部傷害軽減をテーマとした実車後面衝突実験「JAFユーザーテスト」にて、ヘッドレストの重要な役割について学んできました。

交通事故で最も多いのは『追突事故』!

 平成17年の交通事故発生件数は、93万3,828件。そのうちの約8割以上を車両相互事が占め、その中の約4割が「追突事故」だそうです。しかも、10年間で1.5倍に増加。
 また、交通事故における軽傷者における損傷部位別の状況では、頸部損傷が54.2%と過半数を占めるとのこと。10年間の推移では、なんと1.6倍と増加傾向にあるそうです。

筑波の広〜い実験場にて

筑波の広〜い実験場にて

 4月20日、茨城県つくば市の日本自動車研究所内にある衝突実験場にて、実車後面衝突実験「JAFユーザーテスト」が行なわれました。実験は、午前と午後の2回。小型セダン同士の追突事故を、ヘッドレストを最下部まで下げた不適切な位置と適正位置の両パターンで再現。追突されるクルマに乗ったダミーさんは、追突時に頸部等が受ける衝撃の正確な再現を目指して開発されたという「後面衝突用ダミー(Bio RID II)」。衝突速度は、意外と早い時速35km。

衝突実験 1

■被追突車の運転席側のヘッドレストは不適正位置(最下部まで下げた状態)にし、ダミー1体を搭載。後方から別の車両を時速35kmで追突させる。

実験前の様子
左手の、車後方の外の方から、時速35kmで追突させる。
実験前の様子
これが実験前の車両。運転席にはダミーが乗り、ヘッドレストは一番下の位置にセット。
 
実験前の様子
実験数分前から、電光掲示でカウントが始まる。3分前ともなると、にわかに緊張した空気に包まれる。
 

実験スタート!時速35kmは思ったよりも速く、予想以上の音と衝撃で追突!!

追突!!!
動画を再生する

 一瞬の出来事なので、リアルタイムで確認することはできませんでしたが、動画を見てビックリ!ヘッドレストが後頭部の下までにセットされていたので頭を支えるものが何もなく、まず追突の瞬間に“ぐわぁん”と頭が後ろに倒れ、そしてその反動で今度は前に“ぐわぁん”と勢い良く戻ってくるといった感じで、胴体と頭がずれたタイミングで動き、それはもう首にかなりの衝撃と負担がかかることがわかります。

実験前のダミーの様子
実験前のダミーさん。首の骨がきれいに並んでいるのがわかる。
実験後のダミーの様子
実験後のダミーさん。追突の衝撃で、首の骨が後ろに反り、骨と骨の間が詰まってた。
実験後の車両
実験後の車両。時速35kmでもかなりの衝撃だということがわかる。

衝突実験 2

■被追突車の運転席側のヘッドレストは適正位置に、助手席側のヘッドレストは不適正位置にし、それぞれにダミーを搭載。実験1と同じく、後方から別の車両を時速35kmで追突させる。

実験前の様子
比べてみてわかるように、運転席(ヘッドレストが適正な位置)と助手席(ヘッドレストが不適正な位置)ではヘッドレストの高さが全然違う。
 
実験前の様子
こちらは運転席。このように目の高さがヘッドレストの中央にくる高さが正しい位置となる。
 
実験前の様子
実験前の車両。実験後は、これがかなりグチャッとへこんでしまうほどの衝撃。
 

実験スタート!

追突!!!
動画を再生する

 写真を見てもわかるように、追突時のダミーの動きは、運転席と助手席で全く違う!ヘッドレストの高さが違うだけでこんなにも違うのです!助手席は、実験1と同じくヘッドレストを一番下まで下げた不適正な位置だったので、思いっきり頭が後ろに倒れてしまいました。一方、目の位置がヘッドレストの中央にくる適正な高さに調節された運転席では、衝撃はあるものの体と頭が同じタイミングで揺られているので首にかかる負担は少なそうです。

実験前のダミーの様子
実験前のダミーさん。2体の差はヘッドレストの高さだけ。
実験後のダミーの様子
実験後のダミーさん。助手席の方はかなりのダメージを受けた様子。一方運転席は実験1よりも衝撃が少ないのがわかる。
実験後のダミーの様子
助手席から見ると、首がおかしく曲がり、体は傾いていて、追突時に激しく揺られたのがよくわかる。
実験後のダミーの様子
正面からの様子。運転席と助手席の衝撃の違いは歴然。
 
実験後の車両
時速35kmで、車両はこれだけの衝撃を受ける。乗員はヘッドレストを正しく調整するかしないかで明暗を分ける。 
実験後の風景
一般公開の日とあって、ギャラリーは沢山の人で埋め尽くされた。
 

早速調整しましょう!

 今回の実験を見て、『ヘッドレスト』がいかに重要なものかがわかりました。ただあるだけではダメなのです。自分の目の高さがヘッドレストの中央にくるように、高さを調節しなくては意味がないのです。シートベルトをするのと同じくらい、ヘッドレストを調節することが当たり前になれば、交通事故での負傷者は減るでしょう!自分の身は自分で守らなくては。自分だけが乗るクルマであれば、一度調節するだけですから。次、クルマに乗る時には、まずヘッドレストを正しい位置に調節しなくちゃ!

( レポート:CORISM編集部 原 直美 )

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