『激戦区』欧州Aセグメントに老舗「トゥインゴ」が再び立ち向かう
3月8日より一般公開されるスイス・ジュネーブモーターショーの会場で、ルノーのAセグメントコンパクトハッチ「トゥインゴ」の新型モデルが発表された。約14年ぶりのフルモデルチェンジとなる。
初代ルノー トゥインゴは92年パリサロンで初公開され、その後93年4月より発売開始。約14年の間におよそ240万台以上が販売された長寿モデルだ。フランスやドイツなどでは47パーセントのオーナーがまた次もトゥインゴに乗り換えている、というデータもあるほど、長きに渡り愛され続けてきた欧州Aセグメントを代表するモデルだ。
ただしその間、PSA(プジョー・シトロエングループ)・トヨタ連合がAセグメントにおいて共同開発車「プジョー 107/シトロエン C1/トヨタ アイゴ」を投入したほか、東欧や韓国などからもライバル車が多数参入し、コンパクトカー市場の競争は激化の一途を歩んでいる。
スポーティテイストを強調
そんな中で登場した新型トゥインゴは、イメージを大きく一新して現れた。
ルノーの説明では、欧州Aセグメントユーザーの3分の1は35歳以下の若いユーザーが占めるという。そんな彼らを振り向かせるべく「GT」グレードを筆頭にスポーティテイストを前面に推しているというワケだ。このほか、様々なエンジンバリエーション、グレード体系、装備の数々を用意し、ライバルに対抗する。
エクステリアデザインは、昨年秋にパリモーターショーで登場した「トゥインゴ・コンセプト」のイメージをそのまま継承し、スポーティなテイストを強調する。ポップでかわいらしいデザインを特長とした初代モデルから、若い新規顧客層に向けて大きくイメージを変えてきた印象だ。
いっぽうのインテリアは、初代以上にポップで先進的なイメージを持たせる。初代トゥインゴが他車に先んじて採用したデジタル式センターメーターを継承しているほか、ステアリング前にはタコメーターを追加することで、新型のスポーティテイストを強調している。
日本車顔負けの高効率パッケージング
2BOXながら、ボンネットフードからキャビンを一体感あるフォルムで包む1BOXパッケージを持つルノー セニックやエスパスといったモノスペースシリーズ。この末弟として、小型ながら秀逸なパッケージングを特長としていた初代トゥインゴ同様に、新型もパッケージングにはこだわっている。
全長x全幅x全高が3600x1654x1470mm、ホイールベースは2367mmと、ボディサイズの拡大は最小限に留められている。定員は4人。車内は4席独立タイプで、後席もそれぞれにスライド機構を備える(一部グレードは後席一体型)。荷室スペースもシートのスライド、分割可倒などのアレンジにより最小165リットル、最大951リットル(VDA値)まで拡大する。また助手席も前倒し出来ることから長尺物の積載も可能だという。そのほか、車内の収納スペースも豊富に用意されるなど、日本車顔負けのパッケージングは新型でも健在だ。
目玉は1.2ターボ「トゥインゴ GT」
エンジンルームスペースを最小限に設定したため、バリエーション対応が難しかった初代トゥインゴとは違い、新型トゥインゴのエンジンバリエーションは多彩だ。
最大の目玉はスポーティグレード「GT」に積まれる新型1.2リッターTCE 16vターボエンジンだろう。最高出力は100hp(74kW)/5500rpm、最大トルク145Nm/3000rpmを発生させる。
もちろん、欧州市場において人気の高いディーゼルエンジンも設定。クリオやカングー、モデュスなどで採用済みの1.5リッターdCiエンジン(最高出力65hp/3750rpm、最大トルク160Nm/1900rpm)が搭載される。このほかベーシックな1.2リッター16V(75hp版と60hp版)も用意する。
トランスミッションは5速MTが標準。1.2 16vの75馬力版には、先代トゥインゴの後期モデルや先代ルーテシア1.2リッター版にも搭載された2ペダルATモード付き「クイックシフト5」も設定される。
シャシーは先代クリオ2(日本名「ルーテシア」)をベースに、長距離ドライブでも快適なハンドリング、乗り心地を目指しているという。また、安全性能に定評のあるルノーの最新モデルだけに、衝突安全性能についても最新のESP(横滑り防止装置)や、6エアバッグを設定するなど、小型なモデルとはいえ、受動・能動面共に万全の体制を取る。
ワイドバリエーションを展開
先に述べたスポーティグレード「GT」は、新型トゥインゴを代表するグレードだ。ターボエンジンに加え、15インチアルミや特長的なフロントバンパー、リアスポイラーなどエクステリアもアクティブなイメージをアピールする。
また先代モデルに引き続き用意された「イニシャル」は、かつての「5(サンク) バカラ」を彷彿とさせる本革シートなどの上質な内装を持つ、いかにもフランス車らしいグレードだ。このほか多彩なグレード展開を誇る。
このほか、i-podを始めとする携帯型音楽プレーヤーにも対応するオーディオシステムや、ブルートゥース携帯電話対応のハンズフリー機能も設定するほか、多彩なカスタマイズオプションも用意し、特に若者ユーザーにアピールする。
中欧スロベニア工場で製造
ルノーは欧州A・Bセグメントに属するコンパクトカーを中心に生産するメーカーだ。05年に欧州デビューを果たした「クリオ3(日本名「ルーテシア」)」を始め、ハイトワゴンの「モデュス」(日本未発表)、クリオ・キャンパス(旧型クリオ2を継続販売する廉価版)、そしてトゥインゴなど多彩なラインナップを有する。そんな中、同社の中期経営計画「ルノーコミットメント2009」においても新型トゥインゴは大きな役割を果たす計画だという。
欧州での発売開始は07年6月の予定。製造は中欧・スロベニアのノヴォメスト工場で行なわれる。左ハンドル仕様しか存在しなかった初代モデルと違い、新型では右ハンドル仕様も用意し、英国市場を始めとする左側通行エリアへの本格的な輸出を予定するというから、日本への早期投入も期待されるところだ。
( ※寸法・スペックなどは全て欧州発表値 )
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代表グレード |
トゥインゴ GT |
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) |
3600x1654x1470mm |
エンジン |
1.2リッター TCEターボエンジン |
最高出力[hp(kw)/rpm] |
100hp(74kW)/5500rpm |
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm] |
145Nm/3000rpm |
トランスミッション |
5速マニュアルトランスミッション |
定員[人] |
4人 |
レポート |
徳田 透(CORISM編集部) |