大ヒット作、次の一手とは
その結果、多くのユーザーに対し「アウトドアスポーツに最適なSUV」という強い印象を与えることに成功。国内SUV市場で4年連続販売台数1位を達成するなど、長きに渡り安定した売れ行きを保った。これは、マーケティング活動と実際の販売が強力に結びついた見事な成功事例とも言えるだろう。そんなロングランヒット作のフルモデルチェンジを迎えるにあたって、日産が採った次の一手とは。
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揺らぎないDNAを新型へ継承 目指すは「SUVの定番」
新型エクストレイルを見て、まずは誰もがその「キープコンセプト」ぶりに驚くはずだ。
ロングランヒットを飛ばした初代。自ら開拓したそのマーケットを大事にしたい、とする意向は理解出来る。とはいえ、ぱっと見はあまりにも現行型と酷似しているように思えるのだけど・・・。
それに対し、日産自動車 チーフ・プロダクト・スペシャリスト 角 知彰氏は、『英国の老舗SUV「レンジローバー」のように、初代エクストレイルが築き上げたブランドイメージを息の長い定番ブランドとして育て上げたい』と主張する。
開発コンセプトは”アウトドアスポーツを最大限満喫するためのTOUGH GEAR”。日産が初代エクストレイルに込めた想い、そして多くのユーザーに支持された初代のDNAを、さらに進化させることに注力したのだという。
つまり一目見て“エクストレイル”と分かる新型は、『一切の迷いがない』という自信の現われ。そう理解すると分かりやすいかもしれない。
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力強さと質感を増したエクステリア
一見似ているようでも、新型エクストレイルのボディサイズは、初代に比べ一回り大きくなっている。
新型エクストレイルの全長x全幅x全高は4590x1785x1685mm、ホイールベースは2630mmだ。初代に比べ全長が135mmも延伸された。では、その延伸分はどこに振り分けられたのかというと、前後のオーバーハング(前後各車軸と車体前・後端までの間隔)に答えがある。先代に比べフロントで50mm、リアで80mmも延伸されているのだ。特にリア周りの多くは、荷室の拡大分に充てられている。
これに対し全幅で20mm、全高で10mm、ホイールベースではわずか5mmしか拡大していない。
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さて、新型の外観のデザインは、初代の持つクリーンで機能的なイメージを保ちながら、さらに面質が練られた感がある。
大型ヘッドランプや直線基調のボクシーなシルエットなど、初代のアイコンを継承し”エクストレイルらしさ”を保持。ぱっと見で「初代に似ている!」と感じる部分だ。
しかしいっぽうで、「X」をモチーフとしたフロントマスクやDピラーの造形、スクエアなワイドフェンダーなど、シンプルなラインながらディテールの立体感を増したことで、実車を前にすると数値以上にボリュームが感じられた。「力強さが増した」と言い換えても良いだろう。凝った面構成は同時に、上質さも感じさせる効果もある。
そう、なかなかに凝っているのだ、新型は。ぜひ一度、ディテールとフォルムがよく分かる屋外で実車を眺めてみることをオススメする。
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使い勝手を極め、さらに質感も格段に向上
初代エクストレイルは、窓が大きく見晴らしの良いインテリアが印象的だった。また防水インテリアや凝った収納、機能的な荷室なども「らしい」ところ。その良さを継承しつつ、「上質」というコトバとは無縁だったプラスチッキーなインパネ周りや内張りにソフトパッドを使用し、質感を高めたところが新型のハイライトだ。また先代同様、ポップアップステアリングも設定された。
もちろん、全車標準装備の防水インテリアも進化した。シート素材には本革の質感を持つ合成皮革を採用。さらに背もたれと座面にはダイビングスーツ並みの防水性と高い透過性を併せ持つ「セルクロス」を使用し、従来型に感じられたシートのムレを軽減させたという。また防水加工天井、防水加工フロア、取り外して水洗い出来る荷室のウォッシャブルボードも採用。雪や泥汚れのままの乗車、濡れモノの収納、あるいは食べこぼしが容易にふき取れたりと、そのメリットは大きい。
いっぽうでジャージ地のクロスシートもオプション設定され、防水性能を求めないユーザーの選択肢も増えている。
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車体長延伸のメリットを享受したラゲッジルームは、広さが拡大したばかりでなく使い勝手もますます向上した。二重構造を採用し、ウォッシャブルラゲッジボードの下に、同様に水洗い可能な引き出し式のアンダートレイを装備。このダブルラゲッジは取り外し可能で、床面を下げることで高い室内高を確保することも出来る。
また後席はダブルフォールディング機能やスルー機構付きの大型アームレストを採用し、自転車やスノーボードのような長尺モノの収納も容易にしている。
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進化した4WD性能、新開発「オールモード4X4-i」
4WD性能も大きく進化した。先代エクストレイルやデュアリスなどが採用するオールモード4X4は、VDC(ビークルダイナミクスコントロール:横滑り防止装置)との組み合わせで、車両挙動や運転操作を判断し、常に前後トルク配分を見直す新たな4WDシステム「オールモード4X4-i」へと進化した。急勾配を下る際に時速7km/h以下に制御するヒルディセントコントロール、坂道発進を助けるヒルスタートアシストなども備える。
サスペンションは、フロント:ストラット式/リア:マルチリンク式。デュアリスで高評価を得たザックス社製ハイスピードコントロール・ショックアブソーバーも採用した。
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いっぽう、新採用の2.5リッターQR25DEエンジンは、最高出力170ps(125kW)/6000rpm、最大トルク23.5kg-m(230Nm)/4400rpmの高性能をマークする。
いずれも、スムーズな加速フィールを身上とする新世代エクストロニックCVTを採用するほか、2.0リッター車にはクラス唯一の6速MTも設定する。
ただし平成22年度燃費基準は、4WDの2.0リッター(CVT)車のみの適合と、ちょっと寂しい状態。
08年秋にはルノー共同で新開発した2.0リッターターボディーゼルエンジン車も追加されることが既に公表されている。国産乗用車では久しぶりのディーゼル復活だ。長距離でのドライブが多いユーザーなどは、経済性が高く高性能、しかもエコな最新ディーゼルの登場を待ってみる価値もあるだろう。もちろん、世界一厳しい「ポスト新長期排出ガス規制」に対応したものとなる予定だ。
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車体の傷を自然に消してしまう!「スクラッチシールド」採用
装備面では、30GB HDD次世代カーウィングスナビゲーションシステムの設定がニュースだ。タッチパネル式の高精細モニターやBluetooth対応、ミュージックボックスやDVD再生など高機能だ。
さらにセットでサイドブラインドモニター、バックビューモニターなども装着される。
ボディカラーは6色。うちバーニングレッド、サファイアブルー、ダイアモンドブラックの3色は、先代モデル後期に追加された「スクラッチシールド」と呼ばれるすり傷やひっかき傷を時間経過により自然復帰させるクリヤー塗装を施している。過酷な環境で使用されるSUVに最適な塗装といえるだろう。
価格は20S(2WD)199万5千円から、25X(4WD)253万5百円まで。月販目標は2000台だ。
初代モデルが築き上げた強いブランドイメージを継承し、より進化させたという新型エクストレイル。日産の想いが、引き続きユーザーから熱い支持を集めるか、注目してゆきたいところだ。
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代表グレード |
20X(4WD・ALL MODE 4x4-i) |
|---|---|
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) |
4590x1785x1685mm |
車両重量[kg] |
1500kg |
総排気量[cc] |
1997cc |
最高出力[ps(kw)/rpm] |
137ps(101kW)/5200rpm |
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm] |
20.4kg-m(200N・m)/4400rpm |
ミッション |
エクストロニックCVT(無段変速機) |
10・15モード燃焼[km/l] |
13.6km/L |
定員[人] |
5人 |
税込価格[万円] |
237.3万円 |
発売日 |
2007年8月22日 |
レポート |
CORISM編集部 徳田 透 |
写真 |
渡部 祥勝/日産自動車/CORISM編集部 |
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