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【新型 マツダ アテンザ 試乗記】まるでFFのBMW!? CORISMご意見番・大岡がアテンザの魅力に迫る!

(2008.02.17)
マツダ アテンザ エクステリア フロント

日本より海外で評価されているマツダ アテンザ

 マツダ アテンザという車名を聞いて、どんなクルマかすぐにピンとくる人はなかなかのクルマ通だと思う。それも、アテンザにはセダンとワゴン、そして5ドアHBのスポーツという3つのボディタイプがあるまで分かっている人は、もはや完全なマツダファンだろう。新型アテンザはヨーロッパなどで、マツダ6と呼ばれスポーティなハンドリングと高い高速安定性で高評価を得ていることもあり着実な販売台数を記録しているという。全世界で131万台以上が生産され、欧州で約47万台北米でも約37万台を販売。日本国内では約10万台が販売された。販売台数だけを見ると。日本国内では少々影が薄い・・・。つまり、アテンザは日本国内というよりも欧州&北米をターゲットとし高い評価を得てきたクルマなのだ。
 というわけで、欧州車のボディサイズアップと同じく新型アテンザもひと回り大きくなった。気になる全幅は1795ミリとわずかに1800ミリ以下に抑え、日本での使い勝手を考えたギリギリのサイズである。走り出すと軽快なクルマの動きでボディサイズは感じないが、駐車する時やUターンをするときなどにボディの大きさというか最小回転半径の大きさが気になった。調べてみると17インチタイヤを履いたハッチバックで最小回転半径は5.6メートル。ちょっと小回りは苦手である。

マツダ アテンザ エクステリア タイヤ
マツダ アテンザ エクステリア タイヤ
マツダ アテンザ エクステリア タイヤ

滑るように走る高速クルージング

 試乗コースは沖縄市街から、高速道路を経由し万座ビーチへ。アテンザに乗ってすぐに気がついたのが静粛性の高さだ。同乗していたカメラマンに運転させ僕は後席に座ったのだが、前後シート間の会話も明瞭度が高い。大きな声で話さなくても十分に会話ができる。
 沖縄の市街地は大きな通りを外れると道が悪い。道の悪いところを走ると3つのボディタイプすべてそうだったが、ゴツゴツした印象がある。ところが、これが高速道路になると急に滑らかな印象に変わる。スゥーっと道路を軽く滑っていくかのごとくクルージングしていくのだ。クルマが安定しているので、ついつい速度が上がり気味になっていく。気が付けば右側車線を王様のごとく道を切り開きながら走っている自分がいた。高速道路、気持ちよし。
 気持ちいい高速クルージングを実現しているのは、丸く曲げられた馬蹄形のタイヤディフレクター(普通のクルマはほとんど平板)やクラストップレベルというCd値を誇る空力ボディの効能だ。耳元で聞こえてくる風きり音もうまく抑えられていた。エンジンサウンドのチューニングも心地いいといわれる周波数だけ聞こえるようにしたというが、確かにノイジーではない。だが、そもそもエンジンサウンドがイマイチで官能的ではないのが残念でならない。

マツダ アテンザ インテリア インストルメントパネル
マツダ アテンザ インテリア
マツダ アテンザ インテリア

FFのBMW?

 楽しい高速クルージングも見方を変えると、違う顔を見せることもある。新型アテンザのハンドリングとてもシャープ。とくに、ステアリングのセンター付近のちょっとした動きにも敏感にクルマが反応する。クルマを操る楽しさは「クイックなハンドリング」というのがマツダの考え方だろう。そのこと自体は悪いことではない。ちょっとよそ見をしたり、視線移動をしたときに何気にハンドルにかかる力にもクルマが敏感に反応。気が付くとスルスルと進路を変えている。それくらいシビアだ。BMWのMスポーツ系も似た傾向を示す。長距離を疲れずに淡々と高速移動するという点では、それなりに集中してドライビングしなくてはならないため、少し不向きかもしれないと感じた。同乗していたマツダファンのカメラマンにそのことを話すと「運転下手なんじゃない!」と一蹴。まあ、この部分は好みの問題。そういう動きが好きな人にはベストだが、僕は苦手。もう少しユルイクルマが好きだ。僕には長い時間持続する集中力はない。
 そんなこともあり、コーナーリングは得意分野。クルマの動きが全体に速い。スイスイ動く。クルマがロールする暇を与えず(実際はそれなりにロールしている)、グッとすぐに横Gを発生させるタイプだ。コーナーリング中に早めにアクセルを開けてもノーズは外に向くことなく、グリグリと内側に入ろうとする。思いっきりスポーティだ。驚いたのが初代よりダンパーを直立化したE型のマルチリンク式リヤサス。普通は操舵するとフロントからロールして、その後リヤがロールするというタイムラグを感じる。ところが、アテンザはそのフロントからリヤにロールが移るスピードが速いというか、タイムラグを感じない。フロントとリヤが同時にロールする印象。ホイールベースが短いクルマならいざ知らず、2725ミリというロングホイールベースなのにだ。高いボディ剛性もあるが、スッキリとした乗り心地ながらしっかりと路面をつかんで放さないリヤサスに秘密があると思う。コーナーリング、とても速し。

マツダ アテンザ インテリア インストルメントパネル
マツダ アテンザ エクステリア リヤ
マツダ アテンザ エクステリア フロント
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全グレードに横滑り防止装置DSCの標準化を!

 安全装備は2.5リッター全車に横滑り防止装置DSCを標準装備する。マツダは全般に国内のDSC装備に関しては、装着できないか一部にオプションという車種が多い。そんな状況下にあって新型アテンザの2.5リッターにはDSCを標準装備化するのは、大きな進歩ともいえる。ただ、相変わらず廉価版となる2.0リッター車にはオプション設定になるなどグレードによる格差をつけている。新型アテンザだけの問題ではないが、僕は基本的な安全装備は、グレードと問わず標準装備にするべきだと考える。多くの自動車メーカーが安いグレードを買う人は、リスクを背負え。より儲けの多い高いグレードを買った人はより高い安全をどうぞ、という商品ラインアップになっている。数十万円もする先進安全技術は別として、儲けが多い少ないにかかわらず、DSCなど安全性を高めるベーシックな装備は、全車標準装備にするなど、ユーザーの安全に対してもっと真剣に考えて欲しいと思うのだ。
 エンジンは新開発の2.5リッターMZRをメインに2リッターの2タイプを用意。新開発の2.5リッターエンジンは、170馬力&23.0kg-mを発揮する低中速でのトルク重視型。それほどエンジンの回転をあげなくてもスルスルと加速するタイプ。特筆するものもないが、気になる点もないというバランス派だ。実用性という部分では、十分なパフォーマンスをもつエンジンだが、シャープなハンドリングをもつ新型アテンザと組み合わせるということを考えると、高回転域でもうひと伸びパンチが欲しいと思うのは贅沢だろうか。組み合わされるミッションは5速ATを基本とし、4WD車が6AT、スポーツグレードの一部に6MTが用意されている。

マツダ アテンザ インテリア
マツダ アテンザ インテリア シフト
マツダ アテンザ インテリア シフト

ホワイトの本皮シートに痺れる・・・。

 ひと目見ただけで痺れたのは、カームホワイトと呼ばれる本皮シートとクリスタルと呼ばれるホワイトを基調としたインパネパネルの組み合わせ。その煌びやかな空間は、まるで自分の家のリビングにいるような開放感とリラックスムードを醸し出す。白の本皮は汚れるから・・・。と、いう声が聞こえてきそうだが、自分らしさを演出するツールとしてはベストの選択ではないだろうか。

マツダ アテンザ インテリア シート
マツダ アテンザ インテリア シート
マツダ アテンザ インテリア インストルメントパネル

欧州車志向のユーザーを切り崩すことができる?!

 エクステリアデザインは、日本の美をテーマにデザインされた。RX-8やデミオなどと最近のマツダ車と同じくモリっと盛り上がったフェンダーラインは、エクステリアのアイデンティティといえる。なかなか個性的なデザインだと思うし、見れば見るほど味わい深くなる精巧なシルエットは欧州車的。そういう意味では、欧州車を好むユーザーには違和感なく受け入れられると思う。
 走りのシャープさは、まるでFFのBMWだし、シルエットはオペルを代表するドイツ車のような精巧さを誇る新型アテンザ。現在セダン、ワゴン、5ドアHBという日本ではもう絶滅危惧されるジャンルを好むユーザーの多くは、欧州車に触手を伸ばしている。新型アテンザは、国産車で唯一そんなユーザーを今一度引き戻すことができるパフォーマンスを秘めたクルマなのかと思えてきた。

マツダ アテンザ エクステリア フロント
マツダ アテンザ エクステリア リヤ
達人プロフィール: 大岡 智彦
職業:コリズム編集長
自動車雑誌の編集長を経験後、なぜかウェブの世界へ。アンチ、ミニバン派で死ぬまで絶対にミニバンは買わないと決めたものの、2人目の子供が登場して「家族思いのパパ」(偽りの姿)を演じてみたいとも考えているオヤジ。おもしろいコンテンツを制作していきますので、よ...
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「マツダ アテンザ スポーツ」について

「マツダ アテンザ スポーツワゴン」について

「マツダ アテンザ セダン」について

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