達人「松下 宏」が斬る!

職業:自動車評論家
中古車の業界誌から自動車誌の編集者を経て、自動車評論家に。誰でも買える価格帯であり、小さくて軽く、そして燃費がよいということを信念として評論。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員としても、その信念は変わらない。そのため、大本命といわれている車種さえ外して...
モデル後期に入り、いよいよ熟成極まる5シリーズ
BMWの5シリーズが発売されたの2003年7月だから、すでにモデルサイクルの後半というか終盤が近くなってきたのは確か。BMWでは7シリーズのほうがさらに古いので7が先にフルモデルチェンジされるだろうから、5シリーズはしばらくは現行モデルのままで生産が続けられるはずだ。
7シリーズと同様、デビューした当初はかなり違和感を感じた5シリーズのデザインも、最近では見慣れたためかそれほど違和感を感じなくなった。5シリーズに比べちょっとおとなしい感じの3シリーズが登場したことも影響していると思う。
運転席に乗り込むと、そこにはBMWならではのパーソナルな空間が広がる。ドライバーを中心にデザインされたコクピット感覚の運転席は、さあ運転を楽しもうという気分にさせてくれる。乗降性をスポイルすることなく優れたホールド性を確保したスポーツシートも好感の持てるものだ。
インテリア回りの操作系はiDriveが基本になっていて、この操作に慣れるには少し時間が必要。まあオーナーになればあまり迷わずに操作できるのだろうと思うのだが、たまに乗ると操作したい画面を呼び出す段階で迷ってしまうことがある。
ステップトロニックの6速ATは従来と変わらないが、セレクターレバーのデザインが変わって操作方法にも若干の違いが生じている。今後はこの530iのようなレバーの位置でポジションを決めるのではないタイプが増えていくのだろう。
サイズを感じさせぬ軽快さはさすが
530iを走らせると感じるのは軽快さだ。BMWの上級セダンで車両重量も1600kg台とけっこう重いのだが、走りのフィールは軽快そのものといった感じである。例によってほとんど50:50に設定された前後重量配分による走りのバランスの良さが、軽快感につながる大きな要素なのだろう。
アクティブステアを採用したやや小振りなステアリングホイールもきびきびした操舵フィールと確かな手応えによって走りのスポーティさ、軽快さを生み出している。
今では極めて稀少かつ貴重な存在となった直列6気筒の3.0Lエンジンは、自然吸気で200kW/315N・mのパワー&トルクを発生する。ほんの少し前までは3.0Lの自然吸気エンジンでは200ps(150kW)が相場だったが、この3.0Lエンジンは200kW(272ps)を発生している。動力性能の数字だけでなく、バランスの良い直列6気筒エンジンらしく吹き上がりのスムーズさも上々のもの。シルキーシックスという言葉を改めて思い出させるような吹き上がりを示した。
マニュアル操作をしたときに瞬時に滑らかにつながる電子制御6速ATの変速フィールも悪くないし、レバーの操作感もまずまず。スポーティな走りを楽しみやすいパワートレーンといえる。
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"プレミアム"なプライスにサプライズ!
乗り心地も悪くない。BMWでは最近ランフラットタイヤの採用を拡大しているが、この530iが履いていたのが標準タイヤだったことも乗り心地に貢献していると思う。オプションでランフラットタイヤも用意されているようだが、積極的に選択するほどでもないように思う。
530iの価格は764万円の設定だが、ヘッドアップディスプレーやナイトビジョンなどの安全装備がオプション装着されていて、オプション価格の合計が92万円。トータルすると856万円の車両価格となる。諸費用を含めた金額では軽く900万円を超える。ドイツのプレミアムブランド車に乗るには、これくらいの予算が必要ということだ。
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written by 松下 宏
試乗車 |
BMW 530i セダン |
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ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) |
4855x1845x1470mm |
車両重量[kg] |
1650kg |
総排気量[cc] |
2996cc |
最高出力[ps(kw)/rpm] |
272ps(200kW)/6650rpm |
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm] |
32.1kg-m(315N・m)/2750rpm |
トランスミッション |
ステップトロニック 電子制御6速AT |
10・15モード燃焼[km/l] |
9.4km/L |
定員[人] |
5人 |
税込価格[万円] |
764.0万円(標準仕様) |
発売日 |
2007年6月30日 |
レポート |
松下 宏 |
写真 |
和田 清志 |
