常識にとらわれず自由に発想
ホンダは5月29日、新型ミニバン「フリード」を発表した。フリードは人気コンパクトカー「フィット」をベースとした、後席両側スライドドア付きのホンダ最小ミニバンだ。先代フィットをベースにした3列シートミニバン「モビリオ」と、ハイトワゴン「モビリオ スパイク」の実質的な後継モデルとなる。そのため新型フリードでは7人乗りと8人乗り仕様の各3列シート版に加え、荷室を大きく確保した5人乗り2列シート版「FLEX(フレックス)」が一挙に用意される。搭載されるのはフィットRSに搭載される1.5リッター i-VTECエンジン1機種のみ。FFに加え4WDモデルが用意される。
「FREED(フリード)」とは”Freedom(自由)”からの造語。常識にとらわれず自由に発想されたクルマという意味だ。さらに”Free(自由な)”+”Do(行動する)”という意味も込められている。全く新しい発想で生まれた新型ミニバン、その詳細について解説してゆこう。
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『This is サイコーにちょうどいいHonda!』
すでにデビュー前から放映しているTVCMでうたわれている”This is サイコーにちょうどいいHonda!”というキャッチフレーズが、新型フリードの立ち位置をズバリ表現している。
先代「モビリオ」は、ホンダの5ナンバー小型ミニバン「ストリーム」や「ステップワゴン」よりさらに小さく、全長4mほどとコンパクトカー並みの小さなサイズだ。しかし扱いやすい小さい車体ながらもきっちり3列シートを配置。デビュー当初は若いファミリー層を中心に大いに人気を集めたが、数年で売れ行きも落ち着きをみせてしまった。それにはいくつかの理由があったとホンダでは推察する。
ホンダの調査では、モビリオのコンパクトなボディサイズは特に女性ユーザーから「ちょうどいい大きさだ」と高く評価されていた。その一方で居住性については不満の声もあった。特にサードシートの狭さなど、必ずしもユーザーの高い期待には応えきれていなかった面があったというのだ。
しかしこの「ちょうどいい大きさ」と「居住性」という、相反する要件を同時に満たすミニバンなど、実際のところ国内でも他に例がない。ホンダはそこに大きな金脈を見つけたのだ。いかにもホンダらしいチャレンジ精神である。
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シートアレンジはしません!?
フリードは、全長x全幅x全高を4215x1695x1715mm、ホイールベース2625mmとボディサイズの拡大は全長以外最小限に留めた。モビリオやフィットが採用するセンタータンクレイアウトを止め、ガソリンタンクはセカンドシート下に移動。前席から荷室まで低くフラットな床面を実現させている。またホンダのM/M(マン・マキシマム/メカ・ミニマム)思想によりコンパクトなエンジンルームとし、ストリームを超える2625mmの室内長と、ウォークスルーも容易な1265mmの室内高を確保する。
フリードの開発にあたり、ホンダではユーザーの使い勝手や居住性について徹底的に検証した。例えば先代モビリオで3列目サードシートへアクセスする場合、2列目セカンドシートの座面が一体型なため、シート全部を畳んで前倒しにしないとならない。当然、固定式のチャイルドシートを装着するユーザーからは不満の声が出ていた。また他方で、ミニバンのカタログを飾る「便利」なシートアレンジも、実際にはユーザーにもあまり使われていないという調査結果も出たという。
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これらから導き出されたのが、新型フリードの7人乗りシートだ。前から2+2+3人掛けの配置は、シートアレンジすることなく前後左右とウォークスルーすることが可能。例えばセカンドシートにチャイルドシートが固定してあっても、シートを倒したりすることなくサードシートへと移動することが出来る。
もちろんセカンドシートを3人掛け可能なベンチタイプとした8人乗り仕様も用意される。この場合セカンドシートは6:4で分割可倒式となる。ステップワゴン同様の仕組みを採用し、左右個別にワンアクションでパタパタと前倒し出来るから、こちらも3列シートへのアクセス性は良い。どちらを選ぶかは、セカンドシートの使い方次第だろう。チャイルドシートを2脚装着するというなら、自動的に7人乗りを選ぶこととなる。
なお5人乗り仕様「FLEX」のセカンドシートは8人乗り仕様と同等。さらに折り畳めば荷室長1445mm、荷室容量1257リッター(VDA方式)の広大なスペースを確保する。荷室床面には汚れに強い樹脂製ワイパブルマットを設定されるなど、荷物をたっぷり積み込むアウトドア派にはウレシイ仕様となっている。
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スタイリッシュな「トライアングル・スクエア・フォルム」
さて、デビュー前からTVCMで流れている三角形と四角形の組み合わせの絵柄を覚えているだろうか。これはフリードのエクステリアデザインのコンセプト「トライアングル・スクエア・フォルム」をイメージしたものだ。ノーズからルーフ(運転席)は三角形(トライアングル)で走りを表し、後方のキャビン部は四角形(スクエア)でユーティリティを象徴する。2つの異なる立体形状をモノフォルムで包み、大胆なキャラクターラインでスポーティにまとめた。路面電車をイメージしデザインされた四角いフォルムを特長とする先代モビリオとは、180度異なるスタイリッシュなエクステリアデザインに仕上がった。
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いっぽうインテリアは、オープンカフェの居心地の良さをモチーフに「広さ」「使いやすさ」「心地よさ」をテーマにデザインされた。ラウンドフォルムのインパネは異なる造形の二層構造でまとめられた。メーターはフロントウィンドウ寄りに奥まった場所に配置し視線移動を少なくした。またインパネ中央の見やすい位置にナビ・オーディオをレイアウト。さらにエアコンの操作系は左右席どちらからも扱いやすい乗員手前側に置くなど、使いやすさを追求している。
なお大型のガラスサンルーフ「スカイルーフ」は5人乗りFLEXだけのオプション装備。1125x770mmの大開口部で開放的な車内空間を演出する。プライバシーガラスと高熱線吸収UVカット機能付きガラスの合わせガラスを採用し、暑さや紫外線にも配慮され、さらに電動開閉式のサンシェードも備えている。FLEXを購入するならぜひオススメしたい装備だ。
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高性能+オサイフに優しい低燃費
先に記したように、フリードのエンジンラインナップは1種類のみ。フィットRSにも搭載される1.5リッター i-VTEC「L15A」型SOHCエンジンを採用した。最高出力118ps(87kW)/6600rpm、最大トルク14.7kg-m(144N・m)/4800rpmと十分な性能を発揮。FFモデルはトルクコンバーター付きCVTと、4WDモデルは電子制御5速ATとそれぞれ組み合わされる。国土交通省「平成17年排出ガス基準75%低減レベル」に認定されるなど環境性能も確保。さらに10.15モードで16.4km/L(FF車)をマークし「平成22年度燃費基準+22%」を達成するなど、オサイフに優しい低燃費も実現している。
安全面でも先進の技術を採用する。能動面では、横滑りを防止するVSA(ビークル・スタビリティ・アシスト:車両挙動安定化制御システム)を4WD車全車に標準装備。FFモデルでは一部にオプション設定する。受動面では、3列全てに対応するサイドカーテンエアバッグシステムをオプション設定としている。
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多彩なグレード体系をラインナップ
フリードは全車ともオーディオレス仕様が標準。ナビ・オーディオなどはディーラーオプションで豊富なラインナップからセレクト出来るほか、メーカーオプションで「Honda HDDインターナビシステム」が設定可能だ。40GBの大容量HDDにタッチパネル機能付きの7インチワイドディスプレイを組み合わせ、4スピーカー40Wx4chアンプ、リアカメラや地デジ・ワンセグチューナー付TV、DVD/CDプレーヤー、bluetooth機能など盛り沢山の内容となっている。またインターナビ・プレミアムクラブにも対応する。
グレード設定は、ベーシックな「G」(7人乗り)と「FLEX」(5人乗り)と、エアロ付グレード「Gエアロ」「FLEXエアロ」を設定。「G」「Gエアロ」には装備を充実させた「Lパッケージ」を用意する。5人乗り版にも同等の「FLEX Fパッケージ」が用意されるが、「FLEXエアロ」には設定がない。また8人乗り仕様は各LパッケージのFFモデルのみである。さらに安全装備を充実させた「Giエアロ」「FLEXエアロ」(共にFFのみ)が最上級グレードとなる。
価格はベーシックな5人乗り「FLEX」(FF)が1,638,000円、7人乗り「G」(FF)が1,690,500円から用意され、多くのグレードが200万円以内の価格設定となる(価格は全て消費税込み)。なおボディカラーは、欧州車風の深みある色合いから7色が選べる。
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ホンダでは7人乗り・8人乗り・5人乗り各仕様の販売割合を4:4:2と予測する。CORISMとしては、コンセプトが明確で日常の使い勝手も良い7人乗り仕様を一押ししたい。中でも「G Lパッケージ」「Gエアロ Lパッケージ」がオススメグレードとなる。予算に余裕があるなら「Giエアロ」も良い。また仕事や趣味で日常的に荷物を多く積載し、3列目シートの使い道が想定されないというユーザーには「FLEX」もおススメだ。
ステップワゴンのサイズでも持て余してしまうから小さいほうがいい、しかし小さくても3列シートはきっちり使いたい、そしてバリューな価格がいい!・・・軽自動車やコンパクトカー(取り回しが良くユーティリティも高い、価格もバリューだ!)のユーザーなど、確かに潜在ニーズは多そうだ。フリード、結構売れちゃうのではないだろうか!
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( Photo:和田 清志・ホンダ技研工業・CORISM編集部/レポート:CORISM編集部 徳田 透 )
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代表グレード |
Gエアロ Lパッケージ(FF・7人乗り) |
|---|---|
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) |
4215x1695x1715mm |
車両重量[kg] |
1290kg |
総排気量[cc] |
1496cc |
最高出力[ps(kw)/rpm] |
118ps(87kW)/6600rpm |
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm] |
14.7kg-m(144N・m)/4800rpm |
トランスミッション |
トルクコンバーター付きCVT(無段変速オートマチック) |
10・15モード燃焼[km/l] |
16.4km/L |
定員[人] |
7人 |
消費税込価格[万円] |
1,963,500円 |
発売日 |
2008年5月29日 |
レポート |
CORISM編集部 徳田 透 |
写真 |
和田 清志/ホンダ技研工業/CORISM編集部 |




































