ミニバンの中でも「一番売れている」カテゴリーへ新規参入
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マツダは7月8日、いよいよ新型ミニバン「ビアンテ」の発売を開始する。「いよいよ」と書いたのは、既に5月頃よりティザーキャンペーン(発売前の宣伝活動)と予約の受付が始まっていたからだ。既に「劇団ひとり」が出演するTVCMを見かけた方も多いだろう。
今回マツダがビアンテで新たに参入するのは、排気量2.0リッタークラスのエンジンを搭載し、全長4.7m前後、車高1.8m超えの背高なBOX型ボディを持つカテゴリーだ。「トヨタ ノア/ヴォクシー」「日産 セレナ」「ホンダ ステップワゴン」といった名立たる大人気モデルが集結しており、ミニバンの中でも今最も売れているジャンルである。扱いやすいボディサイズながら広大な室内空間を確保し、その中に3列シートを配置。さらに200万円台と手頃な価格帯にするなど、数々の魅力が人気を維持し続ける理由だ。
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先発ライバル車の多くが使い勝手に配慮し車幅を1.7m以内の5ナンバー枠に収めているのに対し、マツダ ビアンテは全幅1770mmのため3ナンバーボディとなる。クラス最大の室内空間を誇るいっぽうで、回転最小半径5.4mとライバル以上の数値を誇りボディサイズのハンデを補う使い勝手の良さも主張する。
開発コンセプトは『見て、乗って、夢が拡がる “Zoom-Zoom Tall(ズーム・ズーム・トール)”』。広さだけではなく、個性的なスタイリングやマツダ車らしい走りの良さでファミリー層にアピールする。
この新しいミニバン「ビアンテ」のエンジンラインナップは2.0リッターと2.3リッターの2種類。FFモデルのほかに2.0リッター版には4WD車も設定する。価格は219.9万円から268.9万円まで。月販目標台数は3000台を予定する。
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”Zoom-Zoom”な『心を動かすデザイン』を狙う
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ビアンテでまず目に飛び込んでくるのが、切れ長のヘッドランプから流れるようにサイドへと続く大胆なラインだ。マツダのコンセプトカー群が主張する『流れのデザイン』の具体化で、フロントマスクなどで「ひと目でマツダと分かること」を重視しつつ、「ライバル車とは違うこと」をアクティブに主張している。
デザインコンセプトは”スペースモティベーター”。広さや使いやすさが直感できて、しかも家族があれもこれもしたくなるような、まさに” Zoom-Zoom”な『心を動かすデザイン』だとマツダでは説明する。なるほど確かに他とは一味違う「カッコいい」デザインだ。外装色もTOP画像に載せた「チリオレンジマイカ」をはじめ、大胆なスタイリングに合わせた個性的な7色を用意する。
いっぽうインテリアにも、大胆なデザインが施されている。室内に入るとまず、インパネ上部全体を包む超ワイドなメーターパネル「トップマウントワイドメーター」が目に飛び込んでくる。これは運転席からの視認性の良さに加え、各席からも良く見渡せることで乗員全員がドライビングを楽しめる、との主張だ。しかしあんまり飛ばし過ぎると同乗の家族から速度超過を指摘されてしまうから、ドライバーはくれぐれもご注意を!? なおインテリアカラーは明るいライトベージュ色とブラック色の2種類からセレクト出来る設定となっている。
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3列シートミニバンの華といえばシートアレンジだ。もちろん、ビアンテもその点は抜かりない。セカンドシートは前後のみならず左右方向へもスライド可能で、その場合はセンターのウォークスルーが出来る。サードシートのチップアップ・スライド機能と併せることで、多彩なシートアレンジが設定されている。中でも1番のウリが「リビングモード」だ。これは超ロングスライドによりセカンドシートの足元スペース長に863mmもの広大なスペースを稼ぐもの。これはライバル車の実に2倍以上もの広さ。スゴい!
しかし、この状態では左右席は3点式シートベルトすら装着できないのでは、と思いマツダに確認したところ、チップアップし着席出来ないサードシート用のシートベルトをそのまま引っ張り出して使用してください、との説明があった。取扱い説明書にも書いてあるという。また実車にも、セカンドシート用シートベルトに説明書きが小さく記載されていた。しかしこれじゃ、わざわざ確認でもしない限り分からない。
だいたいこの「リビングモード」状態でにっこり微笑む(ベルト非着用の)家族の姿を、カタログのインテリアページのメイン画像に使っているのだ。「このまま走ってくださいね」とわざわざ誤解を宣伝しているようなものではないか。ここにはその旨をはっきり明記すべきだろう。また、同じようにセカンドシートの超ロングスライドをうたう「エスティマ」などは、シート自体に3点式シートベルトが組み込まれている。
ちなみにビアンテの中央席のシートベルトが、セカンド・サードシート共にイマドキ2点式というのも重ねて残念な点だ。このあたりも含め、今後の改善に期待しよう。
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2.0リッターに加え2.3リッターモデルもラインナップ
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『見て、乗って、夢が拡がる“Zoom-Zoom Tall”』のコンセプト通り、ビアンテは走りの性能にもこだわった。エンジンラインナップは、2.0と2.3リッターの2機種の直4エンジンを用意する。2.0リッター直噴「MZR DISI」エンジンは、最高出力151ps(111kW)/6200rpm、最大トルク19.4kg-m(190N・m)/4500rpmを発揮(2WD)。5速ATと組み合わされる(4WD車は4速AT)。2WDモデルの10.15モード燃費は12.8km/Lをマークし、平成22年度燃費基準+20%を達成。さらに平成17年度排出ガス75%低減レベル認定も取得し、グリーン税制に適合した。ちなみにレギュラーガソリン指定だ。
いっぽうのハイパワー版2.3リッター「MZR」エンジンはFFモデルのみの組み合わせ。最高出力165ps(121kW)/6500rpm、最大トルク21.4kg-m(210N・m)/4000rpmとなる。5速ATにはステアリングシフトスイッチ操作によるマニュアルモードが付く。なおこちらはハイオクガソリン指定となる。
また高剛性ボディやリアマルチリンクサスペンションの採用、乗用車同等のステアリングギア比設定(16.2)など、Zoom-Zoomなナチュラルなハンドリングとマイルドで安定した乗り心地の実現を目指した。さらにクラスNo.1のCD値0.30をマークするほか、背の高いミニバンの弱点である「横風」を克服するリアタイヤディフューザーなどのアンダーボディ周りの最適化を図るなど空力性能にも配慮し、走行安定性のみならず静粛性や燃費面でも効果を上げたという。
ただし、背の高いミニバンにはぜひ欲しい横滑り防止装置「ESC」(マツダでは「DSC」と呼ぶ)は、ビアンテでは一切選択することが出来ない。ライバル車の中にはこれが全グレードで設定可能というクルマ(「ノア/ヴォクシー」)もあり、最後発モデルとしては残念なことだ。シートベルトの件といい、安全面での取り組みにやや疑問を感じるところではある。
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「ナノイー」に「アレルバスター」でクリーンなインテリア環境を実現
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ビアンテでは、インテリアの快適性にも着目した。中でもフルオートエアコンに採用した空気清浄・消臭システム「nanoe(ナノイー)」や、アレル物質やウィルスなどを捕捉する「アレルバスター」搭載フィルターの採用は、小さな子供を持つ家族には特にウレシイ装備だろう。これらに加え、消臭天井や撥水タイプのクリーナブルシートの採用で、クリーンなインテリア環境を実現させる。
このほか、マツダ車最大の格納式9インチ液晶ディスプレイとDVDプレーヤーを装備した「リアエンターテインメントシステム」や、MAZDA G-BOOK ALPHA対応ボイスコントロールHDDナビゲーションシステムなど、イマドキのミニバンに必須な装備を用意する。
グレード展開は、2.0リッターがベーシックな「20CS」と上級モデルの「20S」、さらに2.3リッターの「23S」の3つ。外観上はフロントグリルやフォグランプ周りなどのメッキ処理が異なるほか、20Sに16インチ、23Sに17インチのアルミホイールが標準装備となるが、エアロパーツは全車にオプションとなる(20S・23Sにはリアルーフスポイラーのみ標準装備)。2.0リッターモデルのみ4WDも選択可能となっている。
価格は2.0リッターモデル「20CS」(FF)219.9万円から、「20S」(4WD)268.9万円まで。2.3リッター「23S」が265.0万円(全て消費税込み)。なお月販目標台数は3000台を予定する。
ビアンテ(BIANTE)の名前は、「周囲を取り巻く」「環境」を表す英語”ambient”から生まれた造語。ファミリーの生活に役立つ楽しく快適な環境のクルマ、という意味を込めてつけられた。ビアンテのアクの強いスタイルがファミリー層にどう受け入れられるか、新参者のマーケット参入に注目が集まる。
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( Photo:高木 博史/レポート:CORISM編集部 徳田 透 )
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代表グレード |
20S(FF) |
|---|---|
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) |
4715x1770x1835mm |
車両重量[kg] |
1640kg |
総排気量[cc] |
1998cc |
最高出力[ps(kw)/rpm] |
151ps(111kW)/6200rpm |
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm] |
19.4kg-m(190N・m)/4500rpm |
トランスミッション |
電子制御5速AT |
10・15モード燃焼[km/l] |
12.8km/L |
定員[人] |
8人 |
消費税込価格[万円] |
240.0万円 |
発売日 |
2008年7月8日 |
レポート |
CORISM編集部 徳田 透 |
写真 |
高木 博史 |






























