搭載エンジンはV型6気筒の2.5Lと3.5Lの2機種。3.5Lは従来と同じ型式だが中身は最新の仕様に進化している。従来は2.3Lだったベースエンジンは2.5Lに排気量アップされた。同時に4速ATからエクストロニックCVTに変更されたので、燃費性能は従来より向上している。さらに燃料もレギュラーガソリン仕様に変ったので、トータルの燃費は一段と良くなったはずだ。
実際に走らせた印象は2.5Lで十分というもの。従来のモデルに比べて動力性能が向上し、185ps(136kw)/23.7kg-m(232N・m)のパワー&トルクを発生するから、1500kgほどのボディに対して十分な実力を持つ。エクストロニックCVTとの組み合わせで走りの滑らかさも上々だ。このエクストロニックCVTには今回から新しい制御が加わった。急にアクセルを踏み込んで大きくギア比が変わるようなときにアダプティブシフトコントロールの制御を入れることで、人間の感覚に合致した滑らかな変速フィールを実現している。タコメーターとスピードメーターの針の動きに違和感があるといった、CVT車にありがちな感覚がこのエクストロニックCVTではなく、自然な感覚の加減速が得られる。
3.5Lエンジンは格段にパワフルな実力を持ち、252ps(185kw)/34.2kg-m(335N・m)のパワー&トルクを発生し、豪快な走りを味わわせてくれる。といってもティアナにとっては過剰なほどの実力なので、普通のユーザーがティアナを買うなら2.5Lエンジンの搭載車で十分だ。
新型ティアナで良くなったのは乗り心地。リヤサスペンションに改良を加えたことで、乗り心地の良さは相当に高いレベルにある。マンホールのフタを乗り越えたり、大きな凹みがあるようなシーンでも、路面からのショックを遮断して快適な乗り心地を実現している。
足回りは柔らかめでコーナーではロールするものの、これだけの乗り心地の良さがあれば少々柔らかな足回りでも問題ない。コーナーでもロールしながらしっかり踏ん張ってくれるから、不安を感じることなく軽快に走り抜けていくことができる。スポーティなクルマとは違うが、なかなかデキの良い足回りだと思う。
このように全体としては良くできた感じのティアナだが、不満な点がないわけではない。まずエンジン+トランスミッションは改良を加えられたにも関わらず、超低排出ガス仕様の☆☆☆☆ではなく☆☆☆で☆がひとつ足りない。☆は4つないとそもそもグリーン税制の適用にならないから、これは必須条件としては早期に達成して欲しい。また燃費についても同様で、平成22年規制に届いていない。基準値+15%または+25%でないとグリーン税制の適用にならないから、これももうひと頑張りというか、ふた頑張りくらいが必要だ。
このほか、今回の試乗車は350XVと250XVで両方ともXVだったために17インチタイヤを履いていた。250はXV以外は16タイヤで最小回転半径が5.3mに収まるが、17インチタイヤだとこれが5.7mになって日本では扱いにくいクルマになってしまう。250では横滑り防止装置のVDCがXVだけにオプション設定なので、早期に標準装備化を望みたい。