240馬力&35.0kg-mを発揮!シングルスクロールエンジン
エンジンが速すぎる! いつもの箱根の峠道を少し元気よく走っただけで、瞬間的にそう感じた。
ギャラン・フォルティス・ラリーアートは、シリーズ最強のプレミアムスポーティ4WDとして位置付けられている。エンジンはランエボXをベースにターボツインスクロールからシングルスクロールへ変更。ラジエーター&エアクリーナー、インタークーラーの形状やサイズを最適化。より、低中速域での使いやすさを考えて、最大出力&トルクをエボXより500回転下げているのがトピックスだ。エボXに比べると若干パワーダウンされているものの、2リッター自然吸気エンジンを搭載するフォルティス・スポーツが154馬力&20.2kg-mに対してフォルティス・ラリーアートは、なんと240馬力&35.0kg-mを発揮する。遅いわけがない。
タイヤ&足回りが限界!?
ゆっくりと走り出すと、想像以上に乗り心地が良いことに驚かされた。スポーツがカチッチリとした固めの乗り心地なのに対し、ラリーアートはしなやかだ。第一印象での足の硬さはエボX、スポーツ、ラリーアートの順。ゆっくりと流すようなシーンでは、低回転から発揮される豊かなトルクとしなやかな足の恩恵で、想像以上に快適で多少の上り坂でも大きくアクセルを踏み込む必要もない余裕の走りを披露する。
ところが、いざ元気よく走ろうとするとラリーアートは思ったほど速くはない。まず、アッという間にタイヤ&足回りが限界を迎える。コンフォート系のタイヤと足回りのセッティングに合わせてか、4WDのトラクションもそこそこに抑えられている。ランエボXのように、滑り出すとフロントタイヤにグリグリとトラクションを与えて前に進む強烈な印象はない。ラリーアートを冠するスポーツイメージと乖離するような気がした。まあ、それでもスポーツに比べれば遥かに高いスピードでの話だ。
走りの不満に開発陣の回答は…
その原因は、エンジンのパフォーマンスにあると感じた。冒頭に書いたように、箱根のような峠道ではエンジンが速すぎる。余りあるパワー&トルクに足回りがついてこない。ストレスが溜まり「ランエボXの足、もってこーい!」と叫ばずにはいられない。直後、冷静になった。これで、ランエボXの足を入れたら「ランエボXとなにが違うの?」。そういう意味では、ラリーアートもなんだか納得ができるから不思議である。
走りの不満を開発陣にぶつけると「確かに、箱根のようなところですとエンジンのパワーを持て余すかもしれませんね」と、なかなか本音を言わない。サラリーマンだから当たり前。だが、歯に何かが挟まったようなトークの中で、ラリーアートのメインステージは、日本ではなく北米だと感じた。スバルのインプレッサのように、ターボエンジン車で240馬力前後のクルマが北米では好まれるそうだ。なるほど、それもあっての柔らか足なのね、と納得。
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ラリーアート=“バリバリのスポーツカー”にあらず
最近の三菱は、基本的にどんな国でも同じ仕様で売っている。仕向け地ごとに仕様を変えると、同じ部品を数多く作らなければならなくなるためコストが増えるからだ。そのためか、販売のボリュームが多い北米などの国に合わせた傾向が出るという。現状のラリーアートの目線もそんなイメージなのだろう。
なぜか我々はラリーアートというと、バリバリのスポーツカーを意識してしまう。そのため、ラリーアートにランエボXのような競技車的パフォーマンスを要求した。それは、我々と三菱の間にある誤解かもしれない。その誤解を排除し、あり余るエンジンのパフォーマンスは「ゆとり」と考えるのなら、ラリーアートはまさにプレミアムスポーティ4WDである。
もし、一般の方々の中にラリーアート=バリバリのスポーツカーと認識している人がいるなら、一度試乗して納得してから購入することをオススメする。
走りの性能とは関係ないが、このラリーアートも最小回転半径は5mと非常に小回りが利く。FFの3ナンバーサイズのボディで18インチタイヤを装着しているのにもかかわらず、このスペックは見事としかいえない。クルマが大きくなり、小回りが利かずに扱いにくいクルマが多い中、フォルティスは扱いやすさの本質をしっかりと押えている。スポーティな走りだけでなく、日常の足としても十分に価値のあるものだ。
written by 大岡 智彦
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職業:コリズム編集長
自動車雑誌の編集長を経験後、なぜかウェブの世界へ。アンチ、ミニバン派で死ぬまで絶対にミニバンは買わないと決めたものの、2人目の子供が登場して「家族思いのパパ」(偽りの姿)を演じてみたいとも考えているオヤジ。おもしろいコンテンツを制作していきますので、よ...
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